今回はアクセントクロスの選び方について、そのポイントを「失敗しない大原則」「オススメの実例紹介」を中心に解説します。リビング・寝室・トイレなどアクセントクロスがあるとインテリアが一気にオシャレに変わります。ポイントを絞って簡単に解説します。
クロス選びで大切なこと
アクセントクロス(差し色として配置する壁紙)を考える前提として、クロス(壁紙)選びを失敗しないために知っていただきたいポイントを解説します。
真似をするのが一番
アクセントクロスを「ゼロから考える」というのは、プロでもかなり難しいと言えます。普段から住宅のインテリアコーディネートをしている、アドバイザーでもよくある事例を頭に入れておりそれを提案することが多いです。
つまり、
・Instagram(インスタグラム)
・Pinterest(ピンタレスト)
などの画像SNSでオシャレな実例を見て真似をするのが、成功への一番の近道だと言えるでしょう。
大きな見本で確認する
クロスを選ぶ際には、
・WEBサイトで探す
・見本帳を見る
が大多数なのではないでしょうか?
ここで覚えていただきたいのが、以下の面積効果の原則です。
・明るい色=面積が大きくなるほど明るく見える
・暗い色=面積が大きくなるほど暗く見える
他方、クロスでは完全なブラックなど過度に暗い色は選ぶことが少ないので、「面積が大きくなるほど明るく見える」の原則を覚えておくと良いでしょう。
その意味でなるべく大きな見本(A4サイズ以上)やショールームで色を確認することをオススメします。
ホワイトは3色
ホワイトは日本で最も多く使われるクロスのカラーです。
他方、ホワイトには以下の3つの種類があります。インテリアのテイストによって使い分けすると、ただのホワイトでもインテリアとして収まりが良くなります。
〜グレー系ホワイト〜
グレー系のホワイトは「モダンテイスト」「アーバンスタイル」など、落ち着いた都会的な雰囲気のインテリアに適しています。
〜ベージュ系ホワイト〜
ベージュ系のホワイトは「ナチュラル」「北欧」「カントリー」など自然素材との相性が良い温もりのあるインテリアに適しています。
〜プレーン系ホワイト〜
プレーン系のホワイトは「シンプル系」のインテリアに適しています。無機質な家具・雑貨がお好きな方にオススメです。
床→壁→天井のバランスを考える
クロスを選ぶときに「床材&天井」のカラーを意識することは重要。
特に床材が何色なのかを把握することが大切です。特に賃貸の方だと剥がせる壁紙を使うことで壁のカラーは変えられても床材は変えられない場合もあります。
床材は以下の5つのパターンが主になります。まずは、ご自身の部屋がどのパターンなのか把握しましょう。
・ダークブラウン
・ミディアムブラウン
・ライトブラウン
・グレー
・ホワイト
その上で、真似したいを探すときに自分の部屋と床材のカラーが近いモノの画像など探すと失敗が少なくなります。
クロス選びの失敗例
クロス選びを成功させるためには、ありがちな失敗例も知っておく必要があります。みなさんお住宅もこれに当てはまらないかチェックしてみましょう。
アクセントクロスが目立たない
例えば、アクセントクロスが存在感がないと、そのカラーを選択した意味が薄れてしまいます。
・アクセントクロスを配置する面積が狭い
・アクセントクロスが目立たない場所にある
アクセントクロスを配置する場所を決める場合には、そのカラーの意図を考えましょう。
「メインのカラーで使いたい」
「差し色でさりげなく取り入れたい」
アクセントカラーを配置する場所を選ぶ際には、その意図にあったサイズ感を考えてみましょう。
しっかりとカラーを把握できていない
これは前述で説明した「見本が小さすぎる」というパターンです。
小さな見本でした確認していないと、いざ部屋に配置した際に印象が異なってしまいます。
「面積が大きくなるほど明るく見える」の原則を覚えておくと良いでしょう。
アクセントクロスを配置する場所
アクセントクロスを配置するオススメの場所をご紹介します。以下の場所に配置することで存在感のあるクロスのコーディネートができます。
キッチンの背面
アイランド型・ペニンシュラ型のキッチンで特にオススメしたいのが、キッチンの背面のアクセントクロスです。ロータイプのカップボードを採用している場合には、大きな面積にアクセントクロスを配置できます。
・石目調でシックにまとめる
・木目調でナチュラルな印象を主張する
テレビの背面
テレビの背面も大きな面積を確保しやすく印象に残るアクセントクロスを配置することができます。
また、ゾーニングという意味でダイニングとリビングの雰囲気を変えたいときにもオススメ。
・立体感のある壁を配置する
・マットなカラーで柔らかい印象にする
壁のニッチに配置
壁の一部をくり抜いて作るニッチは、アクセントクロスとの相性がとても良いです。小さな面積ですが存在感のあるアクセントクロスとなるでしょう。
・飾るモノに合わせたカラー
・立体感のある壁材を配置
天井に配置
〜折り下げ天井〜
折り下げ天井とは天井の一部を低くしている天井です。我が家でも採用していますが、「ゾーニング効果」や「直線的配置で広く感じる」などの効果があります。
このパターンは日本では木目調のクロスを配置するパターンが圧倒的に多いですしオススメ。
〜折り上げ天井〜
折り上げ天井は先ほどと逆に、天井の一部を掘り込んでいるような形状の天井です。こちらは主に「ゾーニング効果」を狙ってリビングなどに配置されることが多いです。
暗めのカラーと間接照明を配置すると垢抜けた雰囲気になってオススメ。
天井に配置
天井はまとまった面積を確保できる場所として、有彩色のクロスを配置するのにオススメ。以下のようなパターンがスタンダードでしょう。
・木目調でナチュラルな雰囲気
・明るいマットからで優しい雰囲気
アクセントクロスの配色パターン
こちらのトピックではクロスのカラーに注目して配置のパターンと特徴をいくつかみ見てきます。
部屋全体を同じカラーで配色
部屋全体を同じカラーで統一するパターンは最もスタンダード。
日本ではホワイト系の壁紙で構成されるパターンが主流です。少しアレンジを加えるなら以下の例がオススメ。
〜グレーorベージュ系ホワイト〜
ただのホワイトを配置するのではなく、あえて「グレー系」「ベージュ系」のカラーを取り入れるとモダンな雰囲気やナチュラルな雰囲気を演出できてオススメ。
〜天井以外にマットカラー〜
天井はホワイトで落ち着きを持たせながら、その他の壁には
・マットなアースカラー
・淡い石目調
を配置するのもオススメです。海外では結構、主流のコーディネートなので海外インテリアがお好きな方にピッタリ。
〜マットなアースカラー〜
〜淡い石目調〜
単色をアクセントとして配置
差し色として有彩色をピンポイントで取り入れるのも良いでしょう。とにかく、アクセントクロスを取り入れてみたい。インテリア初心者の方に取り入れていただきたいパターンです。
マットなカラーを取り入れる
マットカラーは他のカラーと調和が取りやすい点でアクセントクロスに最適なカラー(質感)と言えます。マットカラーは「北欧インテリア」「シンプルモダン」など、様々な事例で取り入れられています。主張が強すぎないので、大きな面積で取り入れても良いでしょう。
様々な質感を取り入れる
クロスには天然素材の質感を取り入れられるというメリットがあります。人工物ではありますが、インテリアの要素として質感を取り入れる分には十分機能すると言えます。
〜木目調のクロスでナチュラルな雰囲気〜
〜石目調でシックな雰囲気〜
〜陶器のような質感でモダンな雰囲気〜
おすすめの実例紹介
ここからはインテリアのテイスト別に是非参考にしていただきたい事例を見ていきます。それぞれの事例でどんなクロスが取り入れたれているのか、参考にしてみてください。
ナチュラルモダンの実例
こちらのコーディネートはいかがでしょう?洗練されたナチュラルモダンスタイルになっているのではないでしょうか?ポイントはこちら、
・天井に木目調(ミディアムブラウン)の要素
・グレージュをキッチン背面に配置
インダストリアルの実例
こちらはクールでシックな雰囲気のインダストリアル系のインテリア。真似していただきたいのがこちらのポイント
・塗りむらを感じるグレー系の石目調・モルタル調
・ハードメイプルのようはイエロー系の床材
北欧モダンの実例
北欧家具との相性がよく、長く部屋の中で過ごすことを意識した北欧モダンスタイルも人気のテイストです。ポイントはこちら、
・マット系の壁紙を大胆な面積で配置
・カラーはグレージュやアースカラーで明るいモノ
・床材はオーク系やグレー系が相性が良い
アーバンモダン系の実例
アーバンスタイルは都会的なインテリアを意味します。このテイストは様々なカラーパターンがありますが、ここまでのスタイルと差別化するために、少し暗めの落ち着いたスタイルをご紹介します。
・壁紙はとにかく無彩色にする
・様々な質感&明度のグレーを組み合わせる
・床材はグレー系のフローリングやタイル
・暗くなりすぎないように床・天井・間接照明で調整する
和モダンの実例
リビングに畳を採用している方は和モダンスタイルにしたいという方もいるのではないでしょうか?このパターンでは以下のスタイルを提案します。
・ベースはホワイトorベージュ系ホワイト
・壁や天井に木目調を配置する
・木目調はヒノキのような明るいカラー
実例を真似するポイント
前のトピックでご紹介した事例ですが、真似する際に知っておきたいことをいくつかご紹介します。これを知っておくとクロス選びの成功率がグンとアップします。
クロス以外も真似をする
インテリアにとって「壁紙・床材」などの内装は絵を描く際の額縁みたいなモノ、「家具・ディスプレイ」などで色付けしていかないと、一つの作品になりません。参考にしたいインテリアやそれに近いインテリアで、どんな質感・形状の家具が採用されているのか。そこにも注目して観察してみましょう。それを真似することによって、インテリアとしての完成度が格段に上がります。
家具のテイストも意識
家具を真似する際に注目したいのが、以下の要素です。これが一致している家具は近しい雰囲気になります。なかなか全ての要素が同じ家具を見つけるのが難しい場合には、自分が気に入っている要素を中心に家具探しをすると良いでしょう。
〜まとめ〜
今回はクロス(壁紙)選びのポイントについて解説しました。失敗しやすいパターンを反面教師にして、オススメの事例を参考にしてみてください。インテリアは奥が深いですが、真似するのはそんなに難しくないはずです。事例を真似するという技をみなさんも活用してみてはいかがでしょうか。