今回はリビングのインテリアの作り方を一からプロ目線でご紹介します。「部屋をオシャレにしたい」「インテリアで失敗してしまう」と悩んでいる方は、是非今回のインテリア作りのプロセスを参考にしてみてください。
なぜインテリアは難しいのか?
まずは、具体的な方法に入る前に「何故、インテリアは難しいのか?」についてご紹介します。
自分なりの方法を決めていない
第一の原因が「自分なりの方法(手順)」を決めていいないからと言えます。
細かなインテリアコーディネートの手順には正解はないですが、これから説明する方法ではインテリアコーディネートにとって一番大切な物が何なのかご紹介していきます。
完成形をイメージできていない
これがたいていの一番の原因となりますが、「どのようなインテリアにしたいか定まっていない事」が、インテリアが失敗する理由として挙げられます。インテリアコーディネートをする際に、自分で考えようとしないことが一番大切です。
目的地を定める
それでは、ここからYUKICH NO HOME流のインテリアコーディネートについて解説していきます。これはあくまで一例の方法ですが、ぜひ参考にしてみてください。
インテリアのテイストを具体的に決める
インテリアには、「ジャンル」や「テイスト」といった種類のようなモノがあります。以下のテイストは一例ですが、これらは「時代」「地域」「文化」の影響を受けて出来上がったモノや「素材」「形状」「質感」などマテリアル的な要素からカテゴリー化されたモノがあります。です。
①:ナチュラルスタイル
②:アメリカンスタイル
③:モダンスタイル
④:北欧スタイル
⑤:アジアンスタイル
⑥:インダストリアルスタイル
⑦:カントリースタイル
⑧:ミッドセンチュリー
「〇〇な〇〇」でテーマ決め
YUKICH NO HOME流のインテリアコーディネートで大切にしたいのは、より具体的な完成形のイメージを作ることです。そのためには前述のインテリアのテイストだけではなく、同じテイストでもより具体的な要素を決めていきます。
ライトポップな”ミッドセンチュリー”
具体的に真似をしてみたい画像を3枚用意する
テーマを決めたらそれにあった目的となる画像をセレクトします。
今回はこちらの3枚の画像を選びました。
どの画像も印象が近くて、ライトポップな”ミッドセンチュリー”と言えます。
今回のコーディネートのテーマ
それでは、今回のテーマについて定義していきます。
ライトポップなミッドセンチュリーとは?
元々、ライトポップな”ミッドセンチュリー”とう言葉には定義が存在しないので、今回のコーディネートのゴールを決めるために以下の要素を定義してみます。
カラー:「ポップで原色に近い要素」「深み・渋み」
質感:ウッド・樹脂・毛足の短いファブリック
形状:曲線的・細身・ステッチ
デザインの特徴:1900年代半ばの王道スタイル
※これらの要素はお手本とする画像の共通点から探してみましょう
部屋のサイズと間取り
イメージを決めたら、部屋のサイズを把握しましょう。
理由としては、具体的に家具を選択するときにサイズを把握して、どの程度の大きさになるのかイメジージするためです。
「動線を確保できるか?」「圧迫感は出ていないか?」などを考慮しましょう。
部屋の寸法を測る
部屋の寸法は大まかなサイズを把握するだけで十分です。
アプリでサイズを計測できる物もありますが、できれば5m程度のメジャーを一本持っておくと便利です。YUKICH NO HOMEはいつもタジマのメジャーを家具店へ行く際にもメジャーを持参していますw
簡易的な図面を作る
図面は以下のように手書きの簡易的な物でも大丈夫なので、おおよその部屋のサイズを把握しておくことが重要です。これによって、家具を配置したときに動線が確保できるのかおおよそのチェックができます。
必要な動線幅を把握する
続いて、どの程度の動線が必要なのかをご紹介します。
以下が動線をわかりやすく紹介したイラストです。これをスクリーンショットするなどして、どの程度のサイズの家具を配置するのが適切か考えてみましょう。
AR技術で実寸大の家具を自宅に配置
AR(拡張現実)の技術を活かしたアプリでオススメなのが、こちらの「RoomCo AR(ルムコエーアール)」です。
・無料で使うことができる
・取り扱いブランドが豊富
・実際のサイズ感がリアル
内装を近づける
それでは、ここからは実際に何もない部屋からインテリアコーディネートを初めてみます。
木目&グリーン
今回の目的としているテイストには、以下の特徴があります。
・モスグリーンの壁紙(原色に近い)
・ウォールナット系の要素
・ライトな木目調
クロス配置はこのようにしました。
まずは、
「グリーンの壁紙を右手に配置」:後でポップなカラーを入れたときに調和しやすいので採用
「天井のライトな木目」:天井は高く見せたいので”明るめの木目調”で”古材風”な物を採用
「ウォールナットを左手に」:ミッドセンチュリーでは欠かせない要素の”渋みを演出”
剥がせる壁紙を活用する
賃貸の方にはこちらのように剥がせる壁紙を活用することで、簡単にクロスの色を変えられるのでおすすめ。クロスを変更することで、インテリアコーディネートの可能性が一気に広がります。
床にアクセントを加えるか検討
続いて、床にアクセントを加えるかというポイントについては、以下のことを考えてみました。
・床にトライバルラグを配置する
・ミッドセンチュリーな雰囲気が増す
・渋みのあるミッドセンチュリーな家具との相性が良い
・ゾーニング効果でソファ周辺にまとまりが出る
・スタンダードなペイズリー柄のレッドをセレクト
メインの家具を配置する
次の工程がメインの家具の配置です。まずは、動線確保のためにも大きな家具の数であったり大きさを決めましょう。
今回は家具全般をしっかりした価格帯の物をセレクトしています。あくまで一例なので、予算に合わせてよく似た雰囲気の家具を探すのもありです。
ORPHAN sofa / WOODEN STORIES / ウドゥン ストーリーズ
まずは、メインの家具であるソファを選択しました。
デンマーク発祥のブランドのWOODEN STORIESのソファです。セレクトしたポイントは以下の通り。
・グリーンのソファで壁紙とリンクカラー
・ステッチが印象的なミッドセンチュリー系の雰囲気
・角がたったレトロな佇まい
価格:262,900 円〜
サイズ:幅208cm・奥行88cm・高さ78.5cm
Brand:WOODEN STORIES / ウドゥン ストーリーズ
Eames Molded Plywood Lounge Chair / Herman Miller / ハーマンミラー
ソファの前には、ミッドセンチュリーを所長する家具を配置しました。
こちらは、チャールズ&レイ・イームズがデザインのラウンジチェアです。
・インテリアのテイスト(ミッドセンチュリー)を象徴する家具を採用
・整形合板らしいオブジェのような佇まい
・ソファとは異なる座り心地
・深い木部のカラーが壁面のウォールナットとリンクする
価格:203,500円〜
サイズ:幅55.9cm・奥行61.6cm・高さ67.4cm
ブランド:Herman Miller / ハーマンミラー
BARK COFFEE TABLE / Knot antiques / ノットアンティークス
ソファの前にはクラシカルな印象がある、ノットアンティークスのセンターテーブルを配置しました。
・圧迫感を出さないサイズ感の円卓をセレクト
・円卓は動線を確保しやすい
・チタンメッキの脚部がレトロな家具と相性が良い
価格:77,000円〜
サイズ:幅60cm・奥行60cm・高さ35cm
ブランド:Knot antiques / ノットアンティークス
スペースを見てサブの家具を配置
続いて、メインの家具を配置した後は、「空いているスペース」を確認します。
スッキリした印象のインテリアが好きな場合には、必ずしも埋める必要はないと考えています。
今回は、ライトポップな”ミッドセンチュリー”がテーマということで、密度の濃いインテリアをイメージしているので家具を追加していきます。
ROSETTogo / ligne roset / リーン・ロゼ
今回は、ポップ系のカラーのリーン・ロゼのROSETTogo(ロゼトーゴソファ)をセレクトしました。リーン・ロゼはフランスのソファブランドで、力強い腹部をイメージしてデザインされた人気のソファです。
・ライトポップはオレンジ系のカラーを差し色に選択
・圧迫感を出さないようにバックレスとがないタイプ
・コテコテのミッドセンチュリーにならないように少しモダン良いのデザインを採用
価格:99,000円〜
サイズ:幅87cm・奥行80cm・高さ38cm
ブランド:ligne roset / リーン・ロゼ
USM(ユーエスエム)ハラーサイドボード
部屋の収納力をUPする目的をメインで、キャビネットを追加しました。
ヴィンテージ系のキャビネットを配置するのもありですが、今回はポップな要素を加えたかったのでシンプルな形状でカラーがハッキリしているデザインのものをセレクトしました。
USMはスイスを代表するモジュラー家具ブランド。2001年にニューヨーク近代美術館の永久コレクションになりました。
・収納力はありながらロータイプのサイドボードをセレクト
・ロータイプを選択することで圧迫感を出さない
・キャビネットの上はディスプレイの場所として活用
・カラーは溶け込みやすいベージュを選択
価格:約250,000円
サイズ:サイズ:W 1523 D 373 H 740 (mm)
ブランド:UMS
ピエール・ポラン F031デスク オーク
続いてメインの家具に近いですが、作業場を追加します。
リビングで作業をする方には、コンパクトなデスクをセレクトするさいには他の家具と共通点のあるものをセレクトすることが大切です。
こちらのデスクはフレンチモダンなピエール・ポランが1950年代に手掛けた名作デスクです。
作業スペースが不要な方であれば、ローボードを配置して物を飾るのもありでしょう。
・インテリアのテイストを印象付けるミッドセンチュリーの名作デスク
・細身の脚部で圧迫感を出さない
・引き出しがついており実用的なデザイン
・オーク材のライトイエローがポップなデザイン
価格:209,000円〜
サイズ:幅1300×奥行610×高さ725mm
ブランド:METROCS(メトロクス)
ペネロペ チェア
デスクにわせたチェアは、ペネロペ チェアと言って、1982年にチャールズ・ポロックによってデザインされたアームチェアです。デスクが軽快感があるデザインなのでそれに合わせる形で配置しました。
・ワイヤー系の軽快感のあるデザイン
・ブラックの引き締まったカラーはデスクと合わせました
・アームレストがあることで作業時もゆったり座れます
価格:253,000円
サイズ:幅578×奥行651×高さ796mm
照明を選択する
続いて照明を選択していきます。今回のテーマのライトポップな”ミッドセンチュリー”では、以下の照明を目指して「配置場所」「商品選択」を行いました。
・煌々と明るい雰囲気ではなく必要最低限の照明器具で構成
・暖色系の光が中心
・なるべく高低差を出す配置
Bliss wall lamp / ART WORK STUDIO
まずは、左手の壁にはブラケットライトを採用しまいた。こちらの影は空間が空いており「間抜けしている」印象があったので要素を加えました。
・クラシカルな雰囲気がミットセンチュリーとマッチ
・真鍮&ブラックの質感がちょうど良い
・壁とした方向を広く照らして陰影を作る
・コンセント&直接配線が可能
価格:22,000円
サイズ:直径150×高さ305mm(壁付け部分除く)
コード:1800mm
ブランド:ART WORK STUDIO
Grid down light / ART WORK STUDIO
部屋のメインの照明はスポットライトを選択しました。元々光量を重視するより「光の陰影」を重視したかったので、方向性のある光を選択しています。
・自由に光の方向を変更できるスポットライトを選択
・テーブルやデスクを照らしたりするのに有効
・太めのフレームが重厚感があって安っぽさがない(しっかりとしたセレクトの家具との相性が良い)
価格:330,000円
サイズ:幅109×奥行7.5×高さ18.5cm
ブランド:ART WORK STUDIO
レクリント ペンダントライト BOUQUET ブーケ 3L
向かって右手のエリアの壁に要素が少ないと感じたので、こちらにも照明を設置しました。セレクトしたのはデンマークの著名な建築家P.V.イエンセン・クリントが趣味で製作していた折り紙のランプシェード。
それをヒントにしてクリント家が1943年に創立したのがレ・クリント社です
・壁際にペンダントライトを灯すことで間接光を作り出す
・必要最低限の考慮をキープするために周辺光を追加
・難燃性PE樹脂を折り紙のように手織りしたシェードは光の陰影が美しい
・1943年創業のLE KLINTはミッドセンチュリーの代名詞
価格:198,000円
サイズ:幅40cm・奥行40cm・高さ40cm(コード150cm)
ブランド:LE KLINT / レ・クリント
追加するならこの照明
デスクエリアで手元やモニターを照らす照明が必要な場合にはこちらの照明がおすすめです。
スワン電器 デスクライト EXARM DIVA ラテブラウン
こちらは、日本のブランドのスワン電器のデスクライトです。ラテブラウンのカラーが今回のライトポップなインテリアにマッチします。
・調光調色ができる機能性
・クラシカルなデザインがミッドセンチュリーとマッチ
価格:27,500円
サイズ:幅25cm・奥行6cm
ブランド:スワン電器
壁面にアイテムを追加していく
家具・照明の配置が完了したら、最後に壁面などに要素を加えてインテリアを仕上げていきます。
・隙間が空いている部分があれば埋めていくイメージ
・要素の量はテーマに合わせる
テイストに合わせたアートを追加
今回は右手の壁が大きく空いていたので、こちらにアートを2枚配置しました。大きさと下は、A3サイズあたりが存在感があっておすすめです。どちらのアートも部屋の各アイテムとの親和性を意識して選択しました。
・テイストの邪魔にならない抽象画系のアートを採用
・ポップなカラーを取り入れたアート
・落ち着きのあるアートはアースカラーを中心としている
ウォールシェルフでディスプレイ
今回の間取りでは向かって左奥の壁が、少し物足りないスペースになっています。
密度の濃いインテリアを目指したいのでこちらには、ウォールシェルフを配置しました。
String(ストリング)シェルフ
こちらはString Pocket アッシュ / ホワイトというプロダクトです。
スエーデンのブランドで、デザインされたのは1949年とされています。まさにミッドセンチュリーど真ん中のアイテムと言えます。配置の意図は以下の通り。
・奥行きが浅く抜け感があるアイテムを選択
・棚板にはブックやグリーンを配置
・重心の高い位置に配置して目立つようにする
価格:21,450円
サイズ:W600×D150×H500
ブランド:String / ストリング
観葉植物を追加する
インテリア最後の仕上げとしては、観葉植物です。今回選んだのはこちらの2種類。
インテリアに有機的な要素をプラスする意味でマストアイテムと言えます。
ウンベラータ
ウンベラータは今回の部屋のシンボルツリーとして配置しました。
・背の高いウンベラータを採用
・飼育して成長を楽しむという意味で120cm程度がおすすめ
・葉っぱの大きなルックスは可愛らしさや愛らしさを感じさせる
・大きな葉っぱはグリーンを追加したことの存在感がある
サンスベリア
サンスベリアはデスク横の空いたスペースに配置しました。
・動線を邪魔しにくい樹形の物を採用
・床おきにしたかったので適度なサイズ感(75cm程度)を採用
・しっかりした樹形は凛とした印象でミッドセンチュリーにマッチする
まとめ
今回は「インテリアコーディネート」を一から始めるための方法&手順についてご紹介しました。是非、今回の方法で共感できる部分については、記事を見返してご自身の自宅のコーディネートの参考にしてみてください。