今回はアクセントクロス(壁紙)選びのコツについてご紹介します。なんとなくで選ぶ壁紙はほとんどの場合で満足いくものになりません。今回紹介するカラー・質感選びのコツをおさえて理想のインテリアを実現しましょう。
ホワイトを上手く使う
日本の住宅ではほとんどの場合、「ホワイトの壁紙のみで構成」されています。一方で海外の住宅を見るとクロス選びの自由度が高く、日本ほどホワイトが多くありません。まずは、この「ホワイトの壁紙の使い方」を理解することが重要だと言えます。
なぜ日本の住宅はホワイト壁紙が多いのか?
では、なぜ日本の住宅では決まってホワイトの壁紙が多いのでしょうか?
私が考える理由として以下の事項が挙げられます。
・ホワイトは後退色のような働きで空間を広く感じさせる
・光を反射して部屋を明るく見せる
・価格が落ち着いているものが多い
ホワイトは3色
ホワイトは日本で最も多く使われるクロスのカラーです。
他方、ホワイトには以下の3つの種類があります。インテリアのテイストによって使い分けすると、ただのホワイトでもインテリアとして収まりが良くなります。
〜グレー系ホワイト〜
グレー系のホワイトは「モダンテイスト」「アーバンスタイル」など、落ち着いた都会的な雰囲気のインテリアに適しています。
〜ベージュ系ホワイト〜
ベージュ系のホワイトは「ナチュラル」「北欧」「カントリー」など自然素材との相性が良い温もりのあるインテリアに適しています。
〜プレーン系ホワイト〜
プレーン系のホワイトは「シンプル系」のインテリアに適しています。無機質な家具・雑貨がお好きな方にオススメです。
ホワイト相性が良いカラー
それでは、ホワイトの壁紙がベースカラーに多いとして、それにプラスするのにオススメのカラーをいくつかご紹介します。
〜アースカラー〜
アースカラーとは、「ベージュ・ブラウン・テラコッタ・カーキ・モスグリーン」など自然を意識させる色だとされています。この辺りの色で、特に「グレーイッシュな色」はこなれた印象があり洗練されたインテリアの印象を与えられます。
〜無彩色〜
無彩色とは、「ホワイト→グレー→ブラックといった白から黒の間にあるカラー」とされています。つまり、ホワイトの同系色でありもちろん相性が良いと言えます。ホワイトよりの色で統一するとソフトな印象になります。また、グレーを中心に集めるとクールでモダンな印象となります。
〜ベージュ系〜
ベージュ系のカラーもホワイトと相性が良いです。他方、選択する色によってはチープな印象になってしまいます。「ベージュ系でオススメなのがグレージュ」です。グレーが混ざることでホワイトとの親和性も高く垢抜けた印象になります。
家具にホワイト系を取り入れる
家具に「ホワイト」「オフホワイト」を採用するとホワイトの壁紙との統一感がでます。また、差し色感覚で、濃いめのブラックの家具を配置するとしまった印象となります。
床材をグレーイッシュなカラーにする
床材にグレー系の物を選択することで全く雰囲気の異なる空間になります。グレーは無彩色なので、もちろんホワイトの壁紙との相性がとても良いです。このパターンでは、家具は「ホワイト系」「ベージュ系」を選択するのがオススメ。韓国系インテリアがお好きな方だとこのパターンの配色がオススメです。
ベースカラーをホワイト以外にする
日本の住宅ではベースカラーがホワイトで構成されていることがほとんどですが、他のカラーをベースカラーにする選択肢もオススメです。ただし、主張が強いカラーをベースカラーにすると「狭く感じる」「個性的過ぎる」といった失敗になってしまします。
〜オフホワイト〜
オフホワイトとは「ホワイトにベージュやグレーを混ぜたカラー」を意味します。是非、選択する際にはマットな質感であったり、安っぽさを感じない質感を選択しましょう。
〜ニュアンスカラー〜
ニュアンスカラーとは「複数のカラーが混ざったような中間色」を意味します。こちらを選択する場合には、彩度に注意しましょう。彩度が高いからを選ぶほど「ポップさ」や「ソフトな印象」が強くなります。
配色のパターンから選ぶ
続いて配色のパターンによる違いを見ていきます。ご自身の好みに合った色の使い方を探してみてください。
単色で構成
単色で構成するパターンは最もシンプルなインテリアとなります。例えば、先ほどの「オフホワイト」「ニュアンスカラー」を選択するのもオススメ。
〜壁紙と同系色の家具で構成〜
家具と壁紙のカラーを合わせるとミニマルでシンプル、ソフトな印象のインテリアになります。
〜木製の家具が映える壁紙〜
原点回帰になりますが、ホワイトの壁紙はキャンバスのような役割があり、そこに配置する家具が映える壁紙だと考えています。個性を出したいのであれば例えば漆喰などが質感があってオススメです。
2色で構成
2色で構成する場合には「床」&「壁」の色の明度を意識することが重要です。
〜「床=明るい」「壁=明るい」パターン〜
全体的に明るいカラーで構成することで「部屋が広く感じられ」、「爽やかな印象」になりやすいです。
〜「床=暗い」「壁=明るい」パターン〜
このパターンでは部屋の「上に行くにつれて明度が高くなる」ことを意識しましょう。そうすることで、収まりの良いカラーコーディネートになります。部屋が明るくなりすぎないので、落ち着いた印象の家具との相性が良いパターンです。
〜「床=暗い」「壁=暗い」パターン〜
このパターンでは、かなり深みのある印象のインテリアになります。部屋が暗くなりすぎないように以下の点に注意しましょう。
・天井をホワイトなど明るいカラーにする
・床に明るい色のラグを敷く
3色で構成
3色構成では以下のポイントをおさえてコーディネートするとまとまりのあるインテリアになります。
・質感を加えられる「石目調」「木目」「タイル」etcを加える
・配色の基本は「2色構成」&「質感」
1面のみに配色
1面にのみ有彩色を取り入れているインテリアも日本では一般的です。少し物足りない印象のインテリアにならないように以下の点に注意しましょう。
・カラーではなく質感を加えるのがオススメ
・部屋の中で最も広い壁に配置する
質感を取り入れる
壁紙選びはカラーコーディネートの観点を中心に語られることが多いですが、一番重要なのは質感だと考えています。同じカラーでもどんな質感を採用するかで部屋の印象は大きく変わります。
オススメできない質感
まず、あまり空間にアクセントを加えられない「質感」として以下のものが挙げられます。
・織物系
・漆喰系
これらは凹凸が少なく明暗差が出ないので、質感が伝わらないのが難点です。そんな場合には、壁に照明を当てることで質感が浮き出てくるのでオススメです。
ウッディな木目調
木目調の壁紙の最近ではかなり充実してきています。クロスとはいえリアルな物もあり、
・多少の凹凸を持たせてリアルな質感を演出
・リアルな木材では実現できない質感
例えば本物の木材では、板が所々で切れていますがクロスではその辺りも自由にデザインできます。
〜ナチュラルな印象を強調する〜
〜インダストリアル&ミッドセンチュリを強調〜
ナチュラルな石目調
石目調のクロスも質感を追加する点で使いやすくてオススメです。
〜高級感を演出したスタイル〜
石目調のクロスとグレーなどを一緒に配置すると、「モダン」「高級感」を演出できます。
〜木目調と組み合わせてナチュラルに〜
「木目調」&「石目調」特に相性が良いです。天井に木目調、壁に石目調を配置するだけで垢抜けたインテリアを演出できます。
マットな質感
マットな質感のクロスもオススメです。しかし、どことなくコンセプトのないクロス選びになるのもこのパターン。以下の点に注意しながら選ぶと良いでしょう。
・ざらつきのあるマット感がオススメ
・広い壁に大きく配置する
・他の質感と組み合わせる
フロア&天井のカラーとのバランス
床→壁→天井のバランスを考える
クロスを選ぶときに「床材&天井」のカラーを意識することは重要。
特に床材が何色なのかを把握することが大切です。特に賃貸の方だと剥がせる壁紙を使うことで壁のカラーは変えられても床材は変えられない場合もあります。
床材は以下の5つのパターンが主になります。まずは、ご自身の部屋がどのパターンなのか把握しましょう。
・ダークブラウン
・ミディアムブラウン
・ライトブラウン
・グレー
・ホワイト
その上で、真似したいを探すときに自分の部屋と床材のカラーが近いモノの画像など探すと失敗が少なくなります。
アクセントクロスを配置する場所
アクセントクロスを配置するオススメの場所をご紹介します。以下の場所に配置することで存在感のあるクロスのコーディネートができます。
キッチンの背面
アイランド型・ペニンシュラ型のキッチンで特にオススメしたいのが、キッチンの背面のアクセントクロスです。ロータイプのカップボードを採用している場合には、大きな面積にアクセントクロスを配置できます。
・石目調でシックにまとめる
・木目調でナチュラルな印象を主張する
テレビの背面
テレビの背面も大きな面積を確保しやすく印象に残るアクセントクロスを配置することができます。
また、ゾーニングという意味でダイニングとリビングの雰囲気を変えたいときにもオススメ。
・立体感のある壁を配置する
・マットなカラーで柔らかい印象にする
壁のニッチに配置
壁の一部をくり抜いて作るニッチは、アクセントクロスとの相性がとても良いです。小さな面積ですが存在感のあるアクセントクロスとなるでしょう。
・飾るモノに合わせたカラー
・立体感のある壁材を配置
天井に配置
〜折り下げ天井〜
折り下げ天井とは天井の一部を低くしている天井です。我が家でも採用していますが、「ゾーニング効果」や「直線的配置で広く感じる」などの効果があります。
このパターンは日本では木目調のクロスを配置するパターンが圧倒的に多いですしオススメ。
〜折り上げ天井〜
折り上げ天井は先ほどと逆に、天井の一部を掘り込んでいるような形状の天井です。こちらは主に「ゾーニング効果」を狙ってリビングなどに配置されることが多いです。
暗めのカラーと間接照明を配置すると垢抜けた雰囲気になってオススメ。
天井に配置
天井はまとまった面積を確保できる場所として、有彩色のクロスを配置するのにオススメ。以下のようなパターンがスタンダードでしょう。
・木目調でナチュラルな雰囲気
・明るいマットからで優しい雰囲気
まとめ
今回はスツールの活用方法について解説しました。オススメのスツールについては、別の記事で特集していますので是非そちらもチェックしてみてください。