オイル塗装のダイニングテーブルに憧れている方にとって、「手入れの面倒さ」というのは心配要素ではないでしょうか?
今回はオイル塗装のダイニングテーブル、ウレタン塗装との比較、オイル塗装のメリット・デメリットを使用歴5年が経過した私から実体験も踏まえてご紹介します。
ウレタン塗装との違いは?
見た目
ウレタン塗装・オイル塗装には見た目に大きな差が出ます。
以下のような違いはありますが、、写真で見てもなかなかイメージが湧きづらいのも事実。
ベストは実際に家具店へ行って、それぞれの塗装の違いを見るのが一番です。
〜ウレタン塗装〜
多くの場合、ウレタン塗装はツヤがあり光沢感があります。好みによりますがツヤっぽい仕上がりを嫌う場合には、ツヤなしの塗装を選ぶことをオススメします。また、ウレタン塗装は安価な家具では、塗装面にムラがあったり、安っぽさを感じる場合があります。
〜オイル塗装〜
オイル塗装では、ウレタン塗装とは異なるツヤ感になります。ウレタン塗装に比べて塗装面は薄く、ツヤ感も強くありません。マットな質感や素材本来の色味に近いモノを好む場合には、オイル塗装がお勧めです。
メンテナンス性
〜ウレタン塗装〜
ウレタン塗装はメンテナンスフリーが基本です。正しくいうと「塗装をやり直すことができず、自分でメンテナンスするのは不可能」ということになります。「汚れがついたら拭き取る」基本的な手入れとなります。
〜オイル塗装〜
オイル塗装では使用頻度にもよりますが、1年に1度は「研磨」と「オイルの塗り直し」が必要になります。メンテナンスをしない場合には、オイル塗装が薄くなり、「ひび割れ」「劣化の加速」などを引き起こします。
水・熱への耐性
〜熱への耐性〜
どちらの塗装も熱への耐性はありません。鍋などの熱いものは基本的に、「鍋敷」などを使っていただくことになります。
〜水への耐性〜
水への耐性はウレタン塗装に軍配があります。基本的にウレタン塗装では水を弾きます。
他方、オイル塗装も油膜があるため水をある程度弾きますが、ある程度の吸収もします。木材が水を染み込むと劣化やひび割れの原因となってしまう場合もあるので、注意が必要です。
キズの付きにくさ
キズの付きにくさは『どちらもキズは付きやすい』といえます。他方、キズが付いたあとの補修の可否では差が出ます。
〜ウレタン塗装〜
ウレタン塗装では、補修には限界があります。リタッチペンなどで色をつけることなどはできますが、塗装をやり直すことはできません。
〜オイル塗装〜
オイル塗装では、傷が付いたあとでも「研磨して傷を消す」「塗装をやり直す」など補修をすることができるので、よほど深い傷でなければ目立たなくすることができます。
オイル塗装のメリット
手入れが面倒なイメージのあるオイル塗装のダイニングテーブルですが、メリットもたくさんあります。一般的に言われているメリットや私が実際に使っている上での感想をお伝えします。
見た目の美しさ
オイル塗装には、「木材本来の美しさが感じられる」メリットがあるます。
オイル塗装では、よく研磨した木材の上にオイルを塗って染み込ませ、材質を保護する役割があります。他方、いくら研磨しても木材は多少の凹凸があったり、木は生き物なので歳月が経つにつれて表面は少しずつ変化していきます。
ウレタン塗装は厚い膜で覆われることで、「木材の凹凸が感じられません」
なので、自然光が当たった際の木質の美しさは、オイル塗装の特徴だと言えます。
つまり、「オイル塗装はインテリア映えする」と言えます。
メンテナンスすることで長期的に使える
オイル塗装の「メンテナンスは年2回が基本」と言われています。
これはあくまで目安なので、実際に5年間使ってみて、年に1回程度のメンテナンスでも十分綺麗に使っていけるのかなと思っているのが個人的な感想です。
模範的なメンテナンスのポイントは以下の通り
・年に2回メンテナンス
・メンテナンスの基本は「研磨」&「オイル塗装」
・冬は木材が一番硬くなる季節。冬に入るタイミングでメンテナンスするのが最善
メンテナンスの方法については、別の記事で詳しくご紹介しています。
多少のキズであれば自分で修復できる
オイル塗装では定期的に研磨を行うので、その際に「小さな傷は補修できます」
この「小さな」というところがポイントで、研磨すると言っても、1mmも削らないので「深い傷は直すことができません」
しかし、ウレタン塗装と比べると「傷がついても直せる」といった安心感は、使っていてオイル塗装の方が圧倒的に大きいです。
塗装面が剥げることを気にしない
以下の写真のような「ウレタン塗装の剥げ」はみたことがないでしょうか?
10年ほど使っていると普段の生活で傷がつき、経年劣化によって塗装面も薄くなったり、変色したり、剥げてきたりします。
しかし、オイル塗装ではメンテナンスの度に塗装をやり直すので、「塗装が落ちる心配がありません」
オイル塗装はメンテナンスをできるといった「安心感がある家具」だと言えます。
オイル塗装のデメリット
メンテナンスが面倒
前述の通りオイル塗装の「ダイニングテーブルは定期的なメンテナンスが必要」
これは「面倒」と捉えるか「家具に愛着が湧くきっかけ」と捉えるかは価値観次第と言えます。私が5年間オイル塗装のダイニングテーブルを使った経験からすると「正直、どちらの感覚もありました」
大掃除とよく似た感覚で、綺麗にするとスッキリしますし充実感があります。
実際のところメンテナンスの作業は20分程度で終わりますし、年に数回、その時間を持てない人はほとんどいないのではないでしょうか?
「家具は価値観や好みで選ぶものです」
この記事を読んだ上で、オイル塗装も選択肢に入れていただいて、あとは個々の家具の「見た目」や「使用感」を重視して選ぶと後悔が少ないのではないでしょうか?
水汚れに弱い?
オイル塗装は「水や油に弱くシミができる」といわれます
それは事実ですが、これを「水に弱い」と評価することには少し疑問が残ります。
実際にオイル塗装のダイニングテーブルを使っていての感想としては、「水や油汚れを放置するとシミになる」といった見解です。
オイル塗装では油の膜が家具の表面にできるので、水が浸透するのにも時間がかかります。
なので「汚れたらすぐに拭き取る」といった習慣を持つことで家具をキレイに使っていけます。
また、オイル塗装のダイニングテーブルは定期的なメンテナンスの度に細かなシミも研磨できるので、「しっかり手入れすれば水に弱くない」と言えるのではないでしょうか?
変色がある
家具の「変色は塗装の種類に関わらずおきます」
その変化は樹種によって異なり、「オーク材では年々色が濃くなり」「ウォールナットでは明るく優しい茶色」に変化していきます。
また、「エイジング感」「クラシカル」といった言葉は家具の雰囲気を形容する際によく使われますが、経年変化による色の変化を「美化」と捉える価値観もあります。
ビンテージ家具といって、かつて数十年前に使われていた家具をリメイクして販売している家具店もあります。
この辺りも「変色があるのはどの塗装の家具にも共通している」「経年変化を美化と捉えるかは価値観によって異なる」といった結論になるのではないでしょうか?
まとめ
「オイル塗装」「ウレタン塗装」の違いについて、ご紹介しました。
「どちらの塗装が良いといった答えはない」といったところが私の見解です。
ただ、メンテナンス性や見た目の差はあるのは確かです。
他方、最近ですと「ウレタン塗装なのにマットな質感」でオイル塗装と見間違えるモノもあります。
ぜひ、皆さんの家具選びの観点に「塗装の種類」といったカテゴリーを加えていただいて、より満足のいく家具選びを行なっていただければと思います。
・「オイル塗装」「ウレタン塗装」でどちらが良いはない
・メンテナンスフリーで使える「ウレタン塗装」
・多少のキズであれば自分で修復できる「オイル塗装」
・違いを理解して「見た目」や「使用感」を重視して選ぶのがオススメ