オイル塗装の家具に憧れているけど
「メンテナンスが難しそう」
「失敗したらどうしよう」
「お金がかかりそう」
こういったイメージを持っている方も多いのでは?今回は意外に簡単なオイル塗装のメンテナンス方法を簡単に行う方法とそのポイントをご紹介します。
メンテナンスのタイミングは?
オイル塗装は日々使っていくにつれて、「表面が乾燥」してきたり、「小キズがついたり」します
また、一般的な目安として、年に2回オイルを塗り直すとされています。これを基本的な考え方として以下のルールに従ってメンテナンスをしていくことをオススメします。
・年に2回が基本(少なくとも年1回オイルを塗るとキレイに保てる)
・冬の乾燥期まえにオイルを塗り直す
・表面が「乾燥してきた」「小キズを直したい」と思ったらメンテナンスする
〜過度なメンテナンスは避ける〜
メンテナンスはあくまで家具の状態を良い状態で保つためにするものです。
過度な研磨は逆に木材をキズつけることにもなります。キズを補修したいといった理由がない限りは「年に2回の頻度」を守りましょう。
準備するモノ
準備するものは以下の通り、サンドペーパーは100円ショップでも手に入りますし、「ハンドサンダー」は木片でも代用できます。また、木工用オイルは100mlで600円程度から購入ができ残った分は次回以降のメンテナンスに利用できます。
なので、最安値では1回当たり500円程度でメンテナンスを行うことができます。
・サンドペーパー(320番・240番)
・ハンドサンダー(木片でもOK)
・木工用オイル塗料
サンドペーパー
まずは研磨するためのサンドペーパーが必要となります。
紙やすり やすり ヤスリ BIGMAN ビッグマン 紙ヤスリ サンドペーパー 研磨 12枚セット #80 #150 #240 #400 各3枚 12枚
サンドペーパーには番号があり、大抵の場合には裏面に大きく印刷されている数字がそれに当たります。「数字は目の粗さ」を示しています。番号が大きいほど目が細かくなります。
家具のメンテナンスでは、2種類のサンドペーパーを使うのが基本です。
今回は「320番・240番」をオススメしましたが、しっかりキズを修復したいなど「粗く研磨する必要」がある時には「120番のサンドペーパー」を使う場合もあります。
この辺りは慣れていくにつれて試してみるのもありかなと思います。
ハンドサンダー
次に必要なのがハンドサンダーです。
ハンドサンダーとは、手で持って使用することができる研磨機のことです。
研磨面に研磨用のペーパーを取り付け、表面の凸凹やガタつきを滑らかにし、均一な仕上がりを得ることができます。
〜手でサンドペーパーを持つのはNG〜
サンドペーパーは必ずハンドサンダーや以下のような木材に固定した状態で研磨します。手で直接サンドペーパーを持って研磨すると、手の凹凸で表面が均等に研磨されるガタガタな仕上がりになるので注意が必要
木工用オイル塗料
木工用オイルにはいくつか種類があります。
オススメのオイルを含めて違いを理解した上で使うことをお勧めします。
食用油を使ったオイル
食用にされる植物油の中で、酸化して固まる性質を持ったオイルをそのまま利用するやり方で以下のようにメリット・デメリットがあります。代表的なものは「えごま油・亜麻仁あまに油・くるみ油」
この辺りの種類の違いで仕上がりが大きく変わったりはしないので、基本的にはどれを選んでも良いでしょう。
オーガニックなものでオススメはこちらの「マカデミアナッツオイル」
無臭で美容にも使える高品質なオイルですが、比較的安価で大容量なのがオススメ
- 口に入れても安全
- 手に入りやすい(スーパーでも買える)
- 使わなくなったら食用油として使える
- 家具の表面を守る効果は程々
- 固まるのには時間がかかる
- 変色があるかチェックが必要
特に3つ目のデメリットには注意が必要
食用油は黄色く変色があるとされています。他方、個人的な見解としては「どの油も多少の変色はおきます」。しかし、メンテナンスの度に研磨するので、その時点で変色前の状態に近づけることができます。
添加物入りのオイル
添加物入りのオイルには多くのメリットがあります。
使いやすさを優先する場合には、こちらをオススメします。
家具に使われる油は体に触れることを考慮され成分が選ばれているのでこちらのタイプのオイルも基本的には安全に使っていけると思います。
- 仕上がりは滑らかで滑るような手触り
- 手に入りやすい(ホームセンターでも多く取り扱っている)
- 植物油100%よりは早く固まる(2〜3日)
- 匂いがやや強いモノもある
- 食器など口にするモノにはオススメしない
私がオススメするこちらのタイプのオイルは以下の2つ
HOWARD オレンジオイル
まずは木製家具ケア用品では世界のトップメーカーに入る、ハワード(Howard Products)社のオレンジオイルです。
天然のオレンジオイルとミネラルオイルを配合した木部専用クリーナー。天然のオレンジに含まれるDリモネンの成分が汚れを取り除きます。
・比較的粘度が低い
・浸透しやすく塗装面の乾燥を防ぐ効果もある
あらゆるオイル塗装の木製家具のメンテナンスに使用できます。
ワトコオイル ナチュラル
ワトコオイルは世界的にも有名でイギリス製のオイルです。
オイル塗装では定番の製品で我が家でも愛用していますが、
・伸びが良い
・乾燥が早い
・手触りが良い
・ワトコオイル同士であれば混ぜて調色できる
といった利点があり、とても使いやすい製品です。
ワトコオイルとは、木材専用の塗料で塗装すると撥水効果をもち、経年劣化を抑える効果がある塗料です。 また、完全に劣化を防ぐのではなく、ゆったりと木の良い質感を残しながら深い風合いを醸し出す特徴があります。 定期的なメンテナンスをする方がより美しい質感を表現します。
オイル選びの注意点
オイルの種類とオススメのオイルをご紹介しましたが、以下の点に注意してオイルを選びましょう。しっかり、この点を押さえていないとイメージと異なる仕上がりになります。
- オイルにはカラーがある
- 数年で使い切れる量を選ぶ
〜オイルにはカラーがある〜
オイル塗料のパッケージを「ナチュラル」「チェリー」「ホワイト」といったカラーがあります。
木材の本来の色合いを楽しみたい場合には「ナチュラルがオススメ」です。
他のカラーに挑戦する場合には少量買って試してみるなど、実際のカラーを確かめてから使用することをオススメします。
〜数年で使い切れる量を選ぶ〜
オイル塗料の使用期限は基本的にはありません。
他方メーカーによっていは「3年程度は品質が落ちません」と明記しているものがあります。
1回のメンテナンスで使うオイルの量は少量なので、まずは200ml以下の大きさのモノを購入されることをおすすめします。
表面の汚れを落とす(所要時間5分〜)
まずはテーブルの表面についている汚れを拭き取ります。
この段階では「ホコリを落とす」「こべりついている汚れを落とす」といった感じで研磨する前に邪魔になる汚れを落とすイメージです。
「基本は乾拭き」で問題ありません。
しかし、汚れがこびりついている場合には、中性洗剤を染み込ませて絞ったウエスで汚れを落とすことをオススメします。その場合には、テーブルが濡れてしまうので、すぐにオイル塗装するとオイルが染み込みません。
しっかり乾燥させてから研磨・オイル塗装を行いましょう。
・基本は乾拭き
・汚れが強い場合、中性洗剤を染み込ませたウエスを使う
・テーブルがよく乾燥した状態になるまで待つ
研磨して更に綺麗に(所要時間10分〜)
次にサンドペーパーで研磨をします。
研磨の目的は以下の通り
・表面の小さなキズを目立たなくさせる
・表面の平らにする
・古い余分なオイルを取り除く
研磨する時には「木目に沿って研磨」することが重要です。木目に逆らって研磨すると表面がしっかり平らにならない場合があります。
また、サンドペーパーを強く当てすぎるのはNGです。体重を乗せたりせずに表面を平らにするイメージで何度も往復させるようにしましょう。
・木目に沿って研磨する
・強く研磨しすぎるのはNG
サンドペーパーの番手は数字が小さいものから使います。粗いサンドペーパーから使うことで、より表面が平らに整います。また、目ずまりしたサンドペーパーはしっかり均等に研磨できなくなるので、「目詰まりしたら交換して新しいものを使う」ことが大切です。
目詰まりしたサンドペーパーはこちらのように白く木の粉がついています。木の粉を払っても目詰まりしているのを感じる場合には木の粉を払いましょう。木の粉を払わずに使い続けると目詰まりしてしっかり研磨されません。
また、その他の交換目安としては
・研磨していて抵抗がなくなってきたとき
抵抗がなくなるということは、サンドペーパーの「ザラつきがなくなってきた」か「より番手の大きな数字に変える」合図ということになります。
150cm程度のダイニングテーブルの研磨に5〜10枚程度使う方も多いほどサンドペーパーは消耗品のようです。
・番手の低いサンドペーパーから使う(240番→320番)
・サンドペーパーの目詰まりに注意
・抵抗が無くなってきたら交換目安
オイル塗装をする(所要時間5分〜)
サンドペーパーでのやすりがけが終わったら、出てきた木粉をウエスでしっかりと拭き取ります。
表面の木粉をしっかり除去したら、いよいよオイルを塗布していきます。
ポイントは以下の通り
・ウエスにつけるオイルは少量
・オイルは薄く伸ばしていく
・基本はテーブルの天板のみ塗布する
オイルは少量ずつ様子を見ながら塗っていきます。
1箇所に多くのオイルをつけると、そこだけ色が濃くなることもあるので、よく塗り伸ばしていくことが大切です。
多くのオイルを塗ったとしても最後に拭き取るので、あまり意味がありませんので注意。
また、テーブルの場合、テーブルの天板以外はあまり汚れたり擦れたりすることがないので基本はメンテナンスは不要とされています。
しかし、「乾燥が目立つ」「キズや汚れが気になる」場合には、天板の裏面や脚もメンテナンスすると良いでしょう。
・オイル塗装で使ったウエスは放置しない
オイルが染み込んだウエスを放置すると出火のする可能性があるとされています。
使用後のウエスはよく水を染み込ませておくなど配慮が必要です。再度、ウエスを使いたい場合にはすぐに中性洗剤で洗うなどすることをオススメします。
・オイル塗装後に耐水ペーパーで研磨するとよりキレイに仕上がる
・最後に半日ほど乾燥させる
より表面に光沢感がありシルキーな手触りを目指す場合には、オイルを塗布した状態で320番程度の耐水ペーパー(耐水性のある紙やすり)で研磨することをオススメします。
乾いていないまま研磨ことで、繊維の隙間に塗料が染み込んだ木屑が入り込み、滑らかでしっとりした質感を生み出します。
耐水ペーパーで研磨した時には表面がより光沢感が出てツルっとした質感になります。
まとめ
今回は20分でできるオイル塗装のダイニングテーブルのメンテナンス方法を解説しました。
お伝えした内容をもとにまずはメンテナンスにチャレンジしてみてください。以外に簡単だなと思えたり、キレイになって気持ちもフレッシュになっていただければ幸いです。
最後に今回お伝えしたポイントはこちら
・メンテナンスのタイミングは年に2回が基本
・まずは表面の汚れを落とす
・木目に沿って低い番手のサンドペーパーから研磨する
・薄く均等に研磨する