今回はインテリア目線のフローリング選びのポイントを紹介します。「フローリングにはどんな種類があるのか?」「賃貸でも床材の種類を変えられる事」あとは、フローリングのカラー選びで部屋の雰囲気が大きく変わることやカラー選びのポイントもご紹介。
フローリングの素材
まずは、「デザイン性」「メンテナンス性」の特徴を知るためにフローリングの種類について、紹介します。オシャレさとメンテナンス・耐久性を考慮した内装選びのために参考にしてみてください。
無垢フローリング(単層フローリング)
無垢のフローリングと言われるものにはいくつか種類があります。
・一枚の無垢板のフローリング
・薄い無垢材を合板に貼り付けたもの
後者の場合には無垢材の厚みによって「突き板」「挽き板」と呼び方が変わります。
「無垢フローリング」の特徴は以下の点にあります。
・木が持つ本来の美しさを感じられる
・基本的にオイル塗装であることが多く毎年の塗り直しが原則
・湿度の変化で歪みが出やすい
見た目としては魅力的ですが、メンテナンスへの理解やそれを楽しむぐらいの気持ちがないと採用しにくいと言えます。
木質の風合い:★★★★★
メンテナンス性:★☆☆☆☆
歪み耐性:★☆☆☆☆☆
傷への耐性:★☆☆☆☆
挽き板フローリング(複合フローリング)
表面の板材の厚みが「表面厚2〜3mm」の物は、「挽き板」に分類されることが多いです。
・ある程度の板厚があるので無垢材の風合いを感じられる
・ウレタン塗装であればメンテナンスは汚れを拭き取るだけ
・歪みや傷にも強くなる
木質の風合い:★★★★☆
メンテナンス性:★★★☆☆
歪み耐性:★★★☆☆
傷への耐性:★★★☆☆
突き板フローリング(複合フローリング)
表面の板材の厚みが「表面厚0.3〜0.5mm」の物は、「突き板」に分類されることが多いです。
・シートのフローリングよりも無垢風の雰囲気を感じられる
・ウレタン塗装であればメンテナンスは汚れを拭き取るだけ
・歪みや傷にも付きにくい
木質の風合い:★★★☆☆
メンテナンス性:★★★★☆
歪み耐性:★★★★☆
傷への耐性:★★★☆☆
シートフローリング(複合フローリング)
最後に合板に木目調のシートを貼り付けたモノは、「シートフローリング」に分類されます。
こちらの種類も最近ではかなりリアルな質感のモノも出てきているので、物によってはインテリア目線でも使えるものが多くなってきています。
・シートの質感のリアルさはメーカーによって良し悪しがある
・撥水性などがあり汚れが付きにくいモノが多い
・傷は付きにくいがシートが剥がれると補修が難しい
木質の風合い:★★☆☆☆
メンテナンス性:★★★★★
歪み耐性:★★★★★
傷への耐性:★★★★☆
フローリングの配置パターン
フローリングにはただ並行に配列しているもの以外にも複雑に組み上げて配置するパターンがあります。床に表情が欲しい方には以下のパターンもオススメです。
一松貼り
スクエアのブロックがいくつも並ぶ形状の貼り方です。床に表情が加わり規則正しさを感じる配置です。
ヘリンボーン
こちらはカタカナの「ハの字」形に組まれたフローリング。部屋の雰囲気が一気に変わります。北欧系インテリアやオールドアメリカンなスタイルなどにオススメです。
朝鮮貼り
こちらは、「朝鮮貼り」と呼ばれる貼り方で、縦に貼られたフローリングを遮るように配置された部分があるのが特徴。空間がモジュール化されるような「パキッとした印象」があります。
斜め張り
こちらは斜め張と呼ばれる貼り方で全てもフローリングを斜めに一方方法に貼り付けています。「空間に流れ」を感じさせたり、「奥行き」を感じさせる効果があります。
フローリングのカラー選び
それではここからはフローリング選びを「カラー」という観点で紐解いていきます。今から紹介するのは、特にインテリアコーディネートと深く関係する部分になります。
フローリング選びはインテリアにとって重要
インテリアにとってフローリングは空間の印象を大きく変える要素だと言えます。理由としては、まず部屋の内装として相当な面積を締めるからです。
インテリアの写真を見てもフローリングに目線がいくものも多いと言えます。
フローリング選びのモットー
フローリング選びで大切にしていただきたいのが、
「家具は好みで選んで」「フローリングは意図を持って選ぶ」
ということです。フローリングは脇役であり、家具はインテリアの主役と言えます。なので、家具やインテリアアイテムを引き立てる存在としてフローリングを選びましょう。
カラーの違いによる特徴
それでは次にカラーによる違いや特徴を見ていきます。この特徴を意識してフローリング選びをすることも大切です。
ホワイト系
シートフローリングなどに多いホワイト系のフローリングには以下のような特徴があります。
・部屋全体に光がまわり”明るく”&”広々”と感じられる
・”髪の毛”&”ホコリ”など目立ちやすい
・”黄ばみ”など色褪せ
ミディアムブラウン系
「オーク」「パイン」「ブラックチェリー」などに多い中間色のミディアムブラウンの特徴は以下の通り。
・部屋にナチュラルな雰囲気を出しやすい
・質感を感じやすくフローリング材の良し悪しを感じやすい
・部屋全体を同じカラーで揃えた時にぼやけた印象にならないように注意
ダークブラウン系
「ウォールナット」や「チーク」「アカシア」などに多いダークブラウン系には以下の特徴があります。
・重厚感があり”落ち着いた印象”や”高級感”がある
・フローリングの水分過多による”白化”が目立つ
・床の色が濃いことで部屋が狭く感じてしまう場合もある
フローリングの樹種による価格差
ちなみに、参考としてフローリングは樹種によって価格帯が大体決まってきます。以下の価格差は樹種のみで比較していますが、同じ樹種でも「無垢(単層)フローリング」の方が「複合フローリング」より価格が高価になります。
高価なフローリングの例
フローリングのメーカーは色々ありますが、こちらは朝日ウッドテックのライブナチュラルプレミアムと言って最高級のグレードになります。この辺りだと1平方メートルあたり30,000円を越えてきています。
低価格帯フローリングの例
こちらはダイケン工業のハピアフロアというシリーズです。シートフローリングに分類される物なので価格も1平方メートルあたり6,000円代と先ほどの物の1/5程度になっています。
樹種によるカラーの違い
ここまではカラーや樹種による特徴をお伝えしてきました。ここで、もう一つ必要な観点としては同じ樹種でも「加工」や「塗装」「木材の産地」によってカラーが異なります。
例えば、こちらの3枚の画像はどちらもチーク材のフローリングです。同じ樹種とは思えないほど、色の濃さが違うことがわかります。このようにインテリアのカラーコーディネートを考える時には樹種も大切ですが、その物のカラーを把握することが更に大切です。
壁紙と合わせて選ぶパターン
ここからはフローリング選びをする際に、オススメのパターンをご紹介します。大前提として、「フローリング選びには正解はない」ということを理解していただきたいと思います。インテリアは主観的にどう感じるかが大切で、何を良しとするかは個人の価値観に関わります。
そして、今回のオススメのパターンもインテリア住宅アドバイザーとしての私が皆さんに参考にしていただきたい物を厳選して選んでみました。
「ホワイト系フローリング」&「モノトーンの内装」
ホワイト系の床材の場合には、壁紙はモノトーンで揃えるパターンがオススメ。モノトーンとは「ホワイト〜グレー〜ブラック」の間の色になります。アクセントクロスや内装の「梁(ハリ)」「折り下げ天井」、あるいはキッチンや照明といった設備やアイテムもグレーやブラックで統一するとまとまりのあるインテリアになりやすいです。
「ミディアムブラウン系フローリング」&「ソフトトーンのクロス」
中間色にあたる「ミディアムブラウン系」の床材の場合には、「ソフトトーンの壁紙」との相性が良いです。
例えば、ホワイト系の壁紙で「グレー」「グレージュ」
アクセントとしてカラーを入れたい場合にも、カラーがハッキリしているものより、「淡い色」「ホワイトが混ざったようなソフトなカラー」だと合わせやすいです。
ミディアムブランの床材には、以下のようなカラーのパターンがあります。そして、床材に対する壁紙のカラーで定番のパターンは以下の通り。
「レッド系(床材)」:グレージュ(壁紙)
「イエロー系(床材)」:ブラウン(壁紙)
「グレー系(床材)」:グリーン(壁紙)
「ダークブラウン系フローリング」&「遊びを持たせた内装」
「ダークブラウン系フローリング」を採用する場合には、内装も少し凝った物を採用しやすいです。
以下のパターンでは、テレビ裏に「グレーの石目調」、「ディープな木目調」が配置されています。このようにモダンでシックな印象の壁紙との相性が良いのが、「ダークブラウン系フローリング」の特徴です。
こちらのパターンでは、「深緑色」のアクセントクロスを採用して、「北欧モダンな雰囲気」を演出しています。「ダークブラウン系フローリング」では、壁紙にディープなカラーを配置しても収まりが良いです。ただ、注意としては部屋が暗くなりすぎない異様に、天井は明るい色を残しておくのがセオリーです。
家具のカラーと床材の組み合わせパターン
続いて家具と床材のカラーのオススメパターンをご紹介します。これもパターン別に異なる良さがあるのでその違いを意識して、家具のカラー選びの参考にもしてみてください。
「ライトブラウンの床材」&「濃い色の家具」
メリハリのあるインテリアになりやすい、「ライトブラウンの床材」&「濃い色の家具」もオススメのパターンです。オークなどミディアムブラウンの樹脂を選択することが前提となります。
・ブラックの家具との相性が良い
・内装にも濃いめのカラーを混ぜるとまとまりがある
・濃いめのカラーと一緒にミディアムブラウンのアイテムを混ぜる
「ダークブラウンの床材」&「濃い色の家具」
落ち着いたカラーで収めるパターンといては、「ダークブラウンの床材」&「濃い色の家具」がオススメです。ポイントとしては以下の点が挙げられます。
・家具と床材の明度を揃える
・木製の家具が多いとクラシカルな印象
・樹脂系やファブリックが多いとモダンな印象になる
・グレーのファブリックとの相性が良い
・部屋が暗くなりすぎないように壁紙は明るいものがオススメ
「ミディアムブラウンの床材」&「明るい家具」
ナチュラル系のインテリアにオススメなのが、「ミディアムブラウンの床材」&「明るい家具」の組み合わせです。
・ミディアムブランの中でも「黄色系」「赤系」「グレー系」など色彩を揃える
・天然素材や観葉植物との相性が良い
・ファブリックも明度のある程度あるラグなどにする
・ドライフラワーなどのとの相性が良い
・色を合わせるだけなので簡単に統一感が出る
フローリング以外の床材
日本の住宅では、床材はフローリングというのが、まだまだ一般的で他の選択肢があることを認識していない方も多いです。
「フローリング:木目調の床材」
フローリングにこだわらず、クッションフロアを選択肢に入れることで、床材のバリエーションは一気に広がります。以下のパターンも一歩踏み出したインテリアとしてオススメです。
プレーンはストーン調
ストーン調の床材は「モダンな雰囲気」「武骨な雰囲気」を演出したい際にオススメ。石目調の素材感がインテリアに加わることで一気に雰囲気が変わります。
タイル柄で個性を出す
タイル柄は様々な物があります。左手は大柄のタイルで、右手は細かい6角形が組み合わさっています。こちらも、「モダンな雰囲気」や「クラシカルな雰囲気」などインテリアの雰囲気を演出するのに活躍する床材です。
複雑な模様でカントリーな雰囲気
その他にこちらは、細かな柄が薄く入ったタイルの床材です。少しクラシカルな雰囲気やインテリアにリズミカルな雰囲気がプラスされます。
フローリングでは実現しない複雑な木工
こちらは、木目を複雑に組み合わせた柄のシートです。リアルの木材では実現しないような柄もシートでは、可能となります。こちらはソフトな印象もありフレンチモダンなどのインテリアにマッチしそうです。
賃貸で床材を変えるオススメの方法
まとめ
今回はフローリング選びについて、解説をしました以下のYouTubeチャンネルでは様々なインテリアのノウハウやオススメの家具・雑貨の紹介を行っているので是非参考にしてみてください。