今回は「アクセントクロス選びの正しい方法を知る」ことをテーマに、是非オススメしたい実例を20選ご紹介します。また、紹介するクロス選びのどこがポイントでオシャレに見えているのかも合わせて解説します。
クロス選びで大切なこと
アクセントクロス(差し色として配置する壁紙)を考える前提として、クロス(壁紙)選びを失敗しないために知っていただきたいポイントを解説します。
真似をするのが一番
アクセントクロスを「ゼロから考える」というのは、プロでもかなり難しいと言えます。普段から住宅のインテリアコーディネートをしている、アドバイザーでもよくある事例を頭に入れておりそれを提案することが多いです。
つまり、
・Instagram(インスタグラム)
・Pinterest(ピンタレスト)
などの画像SNSでオシャレな実例を見て真似をするのが、成功への一番の近道だと言えるでしょう。
大きな見本で確認する
クロスを選ぶ際には、
・WEBサイトで探す
・見本帳を見る
が大多数なのではないでしょうか?
ここで覚えていただきたいのが、以下の面積効果の原則です。
・明るい色=面積が大きくなるほど明るく見える
・暗い色=面積が大きくなるほど暗く見える
他方、クロスでは完全なブラックなど過度に暗い色は選ぶことが少ないので、「面積が大きくなるほど明るく見える」の原則を覚えておくと良いでしょう。
その意味でなるべく大きな見本(A4サイズ以上)やショールームで色を確認することをオススメします。
質感&カラーを真似をする
クロス選びで大切なのは、「質感&カラー」の組み合わせで考えることです。
真似したいインテリアで使われている壁紙と近いものを探したいときには、大きな見本で確かめて、その質感も確認することが大切です。
例えば、こちらの2枚の画像は右手が見本で、左手が実際に壁に貼られた際の画像です。以下の情報は大きな見本でないと分からない情報になります。
・ヘリンボーン柄の間隔
・木目の明暗さ
ホワイトだけで構成するのもあり
今回はクロス(壁紙)選びのコツについてご紹介させて頂きますが、大前提として「コーディネートがしっかりしていればホワイトの壁紙でもオシャレに見える」ということです。
ただ、今回は更にインテリアを「洗練させたい」「個性を出したい」という方にオススメの事例を解説します。
”ミッドセンチュリー”の壁紙選び
インテリアの特徴
まずは、”ミッドセンチュリー”と呼ばれるインテリアの特徴についてご紹介します。”ミッドセンチュリー”とは1900年代半ばに、北欧や欧米で主流であった家具・内装を継承して現代的にアレンジしたテイストを意味します。特徴は以下の通り。
・1950年前後にデザインされた家具やそのデザイン
・カラーは原色系(グリーン・イエローなど)も使う
・ウォールナットや古材も取り入れている
ウォールナットを基調としてデザイン
こちらの部屋は「天井」「テレビボード裏」の木目が特徴的です。おそらく、実際の木材を使った贅沢な仕様になっていますがクロス(壁紙)でもこちらのインテリアを再現することはできます。
・フローリングは明るめの樹種で「市松張り」
・天井は家具と合わせてウォールナット系
・テレビボード裏は少しアッシュ系のルーバー
グリーンで作る雰囲気
続いては、グリーンを取り入れてミッドセンチュリーな雰囲気を作って行くパターンです。こちらのパターンでは、『同系色のソファ』が配置されていてとてもまとまりがあります。
・天井や家具に『ウォールナット』を取り入れる
・グリーン&キャメルの組み合わせが抜群に良い
・『グリーン』『ウォールナット』『ホワイト』が明度のバランスが良い
”ジャパンディ”の壁紙選び
インテリアの特徴
「Japandi(ジャパンディ)」は、2020年ごろから海外で話題になってきたインテリアのスタイルです。言葉の意味としては、「Japan(ジャパン)」と「Scandinavia(スカンジナビア)のdi」を合わせた造語です。
明確な定義が存在するわけではないようですが、「北欧テイストのインテリア」に「日本の禅や哲学」を連想させるような落ち着きを取り入れたスタイルといった言葉で表現されます。
・壁紙や内装にはニュアンスカラーを多用
・家具は木製や天然素材系の物をセレクト
・日本テイストの和紙、格子を取り入れる
〜行きすぎたジャンディ〜
ジャパンディというスタイルは注目は集めているものの以下のような、極端に和なテイストが混在していると少し日本の住宅には馴染まないと言えます。今回は、日本の住宅にも馴染んでくる実例をご紹介します。
淡いカラーで揃えるジャパンディ
こちらのインテリアの特徴はホワイトにベージュやブラウンが混ざった『淡いカラー』で整えられています。落ち着きがあって優しい雰囲気になっあるのではないでしょうか?
・『グレージュ』『薄いグレー』をベースカラーにする
・『ムラがある石目調』『マット感のある質感』がオススメ
※砂壁は和な雰囲気になるので注意
・木目調のクラスもニュアンスカラーに揃える
石目調でクールなジャパンディ
続いてるパターンは石目調の壁をベースにしたパターンです。先ほどのパターンよりは色の要素が多く入っていて面白みがあるインテリアになっています。
・石目調は非光沢の物を採用 ※大理石はNG
・天井も壁面と揃えたカラーにすると雰囲気が出る
・キルティングの立体感のある麻生地系のラグがオススメ
ホワイトベースのジャパンディ
こちらは爽やかなホワイトをベースにしたジャパンディな雰囲気のスタイルです。明るい雰囲気が好きな方はこのスタイルがオススメです!
・『塗り壁』のホワイトがオススメ
・複数色のホワイト壁紙を使って抑揚を演出
・家具もホワイトで統一するのがセオリー
・『プレーンな木質』『古材』を内装と家具で取り入れる
”モダンナチュラル”の壁紙選び
インテリアの特徴
”モダンナチュラル”は、そのなの通り「ナチュラル」と「モダン」の2つのスタイルを組み合わせたインテリアになります。一言で”モダンナチュラル”といっても様々なスタイルが存在しますが、特徴としては以下の点が挙げられます。
・シンプルで直線的なデザイン
・天然素材を取り入れる
・落ち着きのあるアースカラー
「形はモダン」「素材はナチュラル」といったパターンが王道です
ソフトグレイッシュなナチュラルさ
こちらのスタイルではカラートーンで表現するとグレイッシュなカラーで構成されています。柔らかさのある雰囲気で肉厚な起毛感のあるラグとマッチしています。
ナチュラルスタンダードなスタイル
こちらは現代の日本の住宅スタンダードといった雰囲気のスタイルです。家具・内装ともに『スギ』『ヒノキ』『オーク』あたりの明るい木質を多用しているのが特徴です。
・天井と床材を近いカラーで整える
・その他は『織物』『漆喰』のホワイト
・家具は『プレーンな木質』や『細身のブラック』がオススメ
”北欧モダン”の壁紙選び
インテリアの特徴
”北欧モダン”は「北欧」×「モダン」の組み合わせで成立するインテリアのスタイルです。
それぞれの要素をどの程度取り入れるかで大きく印象が異なってきます。
・北欧デザインの家具を取り入れる
・天然素材を使いすぎない
・モダンな要素を照明や家具で取り入れる
グレイッシュなカラーで統一する
こちらのパターンでは部屋全体をグレイッシュなカラーで統一しています。天井は明度を調整するために「ホワイト」「木目調」など異なる配色をしていますが、どの実例も落ち着いた雰囲気に仕上がっています。
・部屋で過ごす時間の長い北欧チックな落ち着きのあるグレイッシュなカラー
・ヴィンテージ感の北欧家具の飴色と相性がGood
・天井か床材は家具のカラーと合わせるのがセオリー
グリーンを入れてポップな北欧テイスト
こちらの実例では壁紙にグリーンを取り入れています。「原色系」「ニュアンスカラー」と雰囲気が異なるパターンにはなっていますが、このグリーンのからの使いやすさが出ている実例だと感じます。
・グリーンを選ぶ際にはマット系をセレクトする
・天井はホワイトやウォールナット色がオススメ
・家具、雑貨でポップなカラーを使いやすいインテリアになる
”アーバンモダン”の壁紙選び
インテリアの特徴
「アーバン(都会)」×「モダン」を組み合わせたスタイリッシュなインテリアのスタイルを意味します。
・無機質な要素を取り入れる
・「スタイリッシュ」「高級感」を感じる”家具&内装”をセレクト
・無駄のないシャープなデザイン
都会的でクールでスタイリッシュ
こちらは、モダンな雰囲気とロータイプの家具で構成された空間です。少しトーンが落ちた落ち着いた雰囲気がお好きな方にオススメ。
・色の濃い石目調で目地が入っているのがポイント
・天井と床材は落ち着いた『チーク』『ウォールナット』がオススメ
・ホワイトの壁紙はポイント使いで明度を調整する
明るい石目で作るアーバンモダン
先ほどとは逆の『明るい石目』を主役にしたコーディネートパターンです。都会的で明るい空間がお好きな方だとこちらのパターンがオススメです。
・『石目調クロス』は一方向の壁のみに設置するのがベター
・その他の壁や天井はホワイトをベースにする
・天井の一部に『暗いグレー』を採用するのもあり
・家具は細身のアイアンが入るとGood
石目&木目の鉄板の組み合わせ
こちらは爽やかな印象があるアーバンモダンのスタイルです。無機質な石目調と有機的な木目調の組み合わせが現代的な日本の住宅の王道のスタイルになっています。
・石目調は目路の無い明るいグレー
・木目は節の少ないライトブラウン
・直線的なデザインの家具を配置すると都会的な雰囲気
”インダストリアル”の壁紙選び
インテリアの特徴
「インダストリアル」=「工業的」
かつて、工場で使われていただろう無骨なデザインの「机・椅子」、工場を連想させるようなコンクリートなど、エイジング感を感じるインテリアのスタイルです。
・内装は「コンクリート」「古材風」
・無機質な素材感で構成する
・使い古されたエイジング感が大切
モルタル調でインダストリアルな雰囲気
こちらのパターンでは、天井にモルタル調の壁紙(打ちっぱなしかも)が配置ひときれています。
「ライティングレール」「配線が露出」していることで、より無骨な雰囲気が出ています。
・天井はあえてムラのある「モルタル」「コンクリート」調のクロスを配置
・他の壁も「古材」「モルタル」にするとディープなインダストリアルになる
・床材で明るさのバランスを整える
レンガ柄を配置して雰囲気を一新
こちらはレンガ調の壁を配置してインダストリアルな雰囲気を演出しています。
家具は「古材」「アイアン」が多用されていて、無骨でかっこいい雰囲気に仕上がっています。
・レンガ調のクロスはオールド感がある物を選択
・他の天井は「ホワイト」「マットグレー」がおすすめ
・「家具」「照明」にはブラックのカラーを取り入れる
マットカラーでネオインダストリアル
こちらは、オールド感をそこまで感じない「ネオインダストリアル」とでも表現すべきインテリアのテイストです。「モダン」と「オールド」がミックスした、「オールドモダン」な雰囲気がおしゃれに仕上がっています。
・メインの壁には「マットなディープグリーン」を配置
・「ホワイト系木質」「アラゴン・オレンジ」もオススメ
・大きな家具は壁紙とリンクカラーにする
”和モダン”の壁紙選び
インテリアの特徴
「和モダン」も長く人気のインテリアのスタイルで、「モダンなインテリア」の中に「和」なテイストを取り入れたスタイルです。モダンスタイルをベースにする方がスタイリッシュなインテリアになってオススメです。
・「家具」「内装」はモダンスタイルを基調とする
・「和」要素として、「和紙照明、檜の素材、畳」などを取り入れる
・少し明度の低い落ち着いた雰囲気がオススメ
和木柄で統一感のあるジャパニーズモダン
こちらは、どのパターンも爽やかなモダンスタイルになっています。天井の一部に「和木柄」を配置することで空間全体の統一感があります。
・「和木柄」はスギ・ヒノキの「明るく節の少ない柄」がオススメ
・天井の一部に配置することでゾーニングする
・家具は樹種を整えると和テイストに、モダンな家具を配置するのもあり
砂壁をうまく使ったデザイン
こちらは店舗インテリアに近い雰囲気を持っていますが、和モダンを目指す場合にはオススメのスタイルです。このテイストで自宅をまとめることができれば、非日常を感じられる空間になるでしょう。
・木目の相性の良いグレーやグリーンの砂壁を壁面や天井に配置する
・天井の一部にも和木のクロスを配置
・床材は和な雰囲気の石材系(土間)のカラーのフロアタイルがオススメ
ブルックリンスタイル
インテリアの特徴
ブルックリンスタイルは、アメリカのニューヨークにある5つの行政区のひとつ「ブルックリン」を発祥としたスタイルのことを言います。旧倉庫や工場を居住空間に改修した雰囲気を元にしているのが特徴。
・レンガなど当時の工場で使われていた壁材を取り入れる
・少し薄暗い雰囲気でダルトーンのカラーを基調とする
・工業系になりすぎるとインダストリアル系になるので注意
モルタルを基調として雰囲気を作る
こちらのパターンでは、壁面や天井にモルタル(コンクリート)が配置されています。
プラスでオールドモダンな雰囲気を家具を配置すれば、それだけでインテリアの完成度は一気に上がります。
・壁面や天井にモルタル(コンクリート)が配置
・床材は「古材」「モルタル」「タイル」がオススメ
・家具は「モダン」「ミッドセンチュリー」を選択して凛とした印象を出す
ブルックリンスタイルの代名詞のレンガ調
こちらは、ブルックリンスタイルで最もメジャーな要素として、「レンガ調」のクロスが配置されています。これが配置されるだけで、部屋が一気にカッコいい雰囲気に仕上がります。
・褐色系のレンガ調のクロスを配置
・床材はエイジング感のある「古材」「モルタル」「タイル」がオススメ
・家具は「レザー」「コーデュロイ」を取り入れる
古材風の壁面で雰囲気を演出
ブルックリンスタイルの特徴である「倉庫感」を演出するために古材風の壁紙を使うのもオススメです。こちらのインテリアのパターンでは、明るめの古材を採用して空間が暗くなりすぎないように調整されています。
・古材風の壁紙をメインの壁(2面もあり)に配置
・家具は「アイアン」「古材」の素材感で雰囲気を統一する
・天井は明度の調整として、「ホワイト」を選択する
まとめ
今回はクロス選びのポイントをご紹介するためにインテリアのテイスト別にオススメ実例を20選ご紹介させていただきました。Youtubeチャンネルでもインテリアのノウハウに関する動画を投稿しているので是非、そちらもチェックしてみてください!